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フィリピンでの有機農業について

フィリピンは有機農産物が注目されています。
マニラを中心に富裕層が増え、食にお金を出せる人たちが増えてきました。人々は安全と健康を求めています。
確かにフィリピンの野菜は安全とは言えません。というか安心ではないようです。
フィリピンでは日本ほどに農薬は使っていません。量では少ないのです。
ただ、どんな農薬かと言われると答えられません。農業資材屋さんで売られているものです。
危険でも効くので使う農家もいます。しかもそういった効く農薬は安いのです。
暑いので虫もたくさん出ます。冬がないから年中繁殖します。
そんな環境で有機農家は労力を使ってがんばっています。私も見習わなければなりません。
ただ、大変なのです。
日本ほどに有機農業用の資材がないのに土は痩せています。
暑いので分解が速いわけです。
雑草はどんどん生えてくれます。虫といっしょで年中繁殖期です。
日本では開墾地を有機農業に使うといったことは聞いたことがありません(間違っていたらごめんなさい)。
昔からの農地を有機農業に使っているか慣行農法から有機農業に転換した土地がほとんどだと思います。
昔からの土地はきちんと管理されてきたので雑草が少ないです。
観光農業から転換した土地は土も肥えていますし、以前に除草剤で草を減らしています。さらに転換の過渡期に有機資材を投入しています。
それくらい有機農業には時間と手間がかかるわけです。
家庭菜園でできるから農業でもできるはずだと思わないで下さい。家庭菜園の手間を本気でやると人を雇いきれません。
有機農産物はそれだけ時間と手間がかかっています。
にも関わらず、フィリピンでは普通の農産物に比べて高くありません。平均2-3倍くらいです。
もっと高くてもいい気がします。
その間を減農薬減化学肥料栽培の安全な農産物で埋めていきたいわけです。
フィリピンではまだその部分がほとんどありません。
信頼の問題です。
減農薬減化学肥料というグレーゾーンはなかなか受け入れられないようです。
そこをなんとか切り開いていきたいと思っています。




今日も大地を耕しています。

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