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Showing posts from July, 2018

毎日続けること

今季は3つの圃場を使って稲作を行なっています。 全て別々の管理人を付けてやっています。 最初の圃場はそろそろ出穂が来るところで2つ目と3つ目の圃場は田植えを終えて約2週間というところです。 最初の圃場は、多収性品種なのですが、現段階でイネの生長も良く、収量に期待が持てそうな状況なのです。 作業のタイミングや天候に恵まれているのが、一つの理由かもしれないのですが、今季のここの管理人は頻繁に水田を見ているようなのです。 当たり前の事はフィリピンでは素晴らしいことなのです。 私も見ているのですが、毎日というわけにはいきませんが…。畦によく雑草が置いてあるのです。根っこが出ているので水田の中の雑草だったのでしょう。そして畦も草刈りをしてきれいにしているわけです。 聞くと、毎日見てやっているそうです。 これは素晴らしいなと感じました。 毎日続けてやっているそうです。本当に毎日かどうかは不明ですが、以前より、頻繁に見て管理してくれています。 2つ目3つ目の圃場の管理人はたぶん、そんなに見ていないのでしょう。畦の雑草も多いし、水田も見た感じが雑なわけです。 これは大きな違いです。毎日、1時間で作業をして圃場を見てくれているだけでもいろいろ発見があり、適切なタイミングで作業ができるのです。肥料のタイミングであったり、灌水の準備であったり。 日本人でも毎日時間を取って何かをするということは難しいことだと思います。それをやってくれていることに感動しました。素晴らしい。 この行為をどう他の者たちにやってもらうか。 … フィリピンに住んでいて、どんな人が良いのか自分なりの指標があります。 1.口が達者なやつには注意する。 2.地味な仕事をしている。 3.同じことを継続できる。 もちろん、うそをつかないとか悪いことをしない。というのは当たり前ですが、こういった地味な性格のやつはなかなか良いやつが多いと感じています。

商売もいろいろ

先日、知人との夕食会に参加した。 会といっても数人なのだけれど。 分野が違う者同士。 一人は、英語学校経営者。 一人は、薬局経営者。 それと、私、農業者。 有難いことに、おコメを買って頂いている。 … また、買いたいとのことでしたが、在庫がなくて販売できませんでした。 と、売り切れるから儲かっているでしょう。という話になりました。 いえいえ、そんなことはありません。 精米して販売しているのは収穫したものの一部で大半はディーラーに収穫後すぐに売っているんです。 昨季は収穫量が悪かったので儲かってなくて大変なんですよ。としょんぼりな気持ちを説明しました。 その時は酔っていたので少ししか気にならなかったのですが、よく考えると売り切れるくらい売れるのはもしかしたら他分野だと当たり前の事なのかなと思ってしまいました。 薬局屋さんは、売り切れる=儲かっている。のかもしれません。 英語学校経営者は、教室満杯=儲かっている。でしょう。 それとも、他分野の実際を私は知らないだけかもしれません。 というか、経営の基礎的なことを知らないだけかもしれません。 利益率とか。 農業分野はなかなか難しくて、価格がまず、相場。めちゃくちゃコストをかけても成り立たない時があります。 それと、腐ってしまうということです。置いとけない。置けば置くほど悪くなっていく。 例外はたくさんありますが、基本的にはそうなのです。 だから、相場が安くても腐るよりマシ。という判断ができます。 逆に品質が悪くても相場で勝つ。ということもあります。 もしくは、そんなマーケットとは別世界で生きる。という選択肢もあります。 大規模に薄利多売で行くのか。小規模に高付加価値のものを特殊マーケットに持っていくのか。 そんなにもたくさんの選択肢があるので農業分野に夢があるわけです。 … 農業生産は他分野に比べて自分のしたい経営ができる、正確に合った経営が顕著に表れる分野なのかもしれません。

ウイルスと植物

農業をしているといろいろな病虫害に悩まされる。 その中でもウイルス病には頭を抱えている。 基本的には治療できないし、防除もできない。植物をウイルス病から守るにはそれを媒介する虫などを防除するしかないのである。 不思議でいっぱいになった。 例えばトマトやピーマンが罹るモザイク病。一言にモザイク病といってもいろいろな種類のモザイクウイルスがいる。 植物体が罹ってしまうと植物体が変形してしまう。 … きっと、トマトとモザイクウイルスの戦いは昔からあったはずである。 でなければ、元気なトマトとトマトの葉っぱを変形させるウイルスが両方存在しないと思う。 そもそも植物の免疫機能がどうなっているのか。 人間ならマクロファージが病原体を食べたり、免疫機能がある。しかも、生きている間にいろんな病原体に対抗するための免疫機能がついてくる。だから予防接種がある。 植物はどうなんだろうか。 まず、体の中に入れない。細胞壁で身を守っている。 それと、病原体を寄せ付けないようにしているらしい。忌避物質やホルモン。 あと、病原体に感染した細胞が自死する。それが私たちが見る病虫害の症状である。 … 基本的にはそんなことらしいのだけれど、実際はどうなのか。 耐病性品種がいっぱいある。ということは遺伝的にこの病気には強い。というのがある。 それは多様な植物体、同じ品種でも個体差がその耐病性などになって、それを交配させて耐病性を受け継がせているのだろう。 そうすると、特定のウイルスに対して抵抗性を持っているものが残る。そうするとウイルスも繁殖できないから頑張る。 という流れなのだろう。 自然界はそれでお互い頑張って生きているけれど、農業生産の場ではそんなことできない。 単一品種でやっているからウイルスが来ちゃうとお手上げになってしまう。 どうしたら良いのですか…。 感染しても治ってくれるとまだ何とかできるのだけれど、どうしようもないとなってしまうと、本当にどうしようもない。 人間みたいに何か頑張って免疫機能が強くなって未知の病原体でもある程度戦えるような仕組みにしてほしい。 … 一番現実的なのは種子の自家採取なのだろう。頑張った個体を次世代に引き継ぐ。 ということなのだろうか。