Skip to main content

Transplanting Rice

毎度同じ位置からの写真ですが…。
ここから撮るのが癖になっているのかもしれません。

最初の圃場、田植えが完了しました。
天候もだんだん黒い雲が漂うようになって雨季の足音が近づいてきています。

今季のこの圃場の試験はミネラルです。

私が一番最初に稲作を始めたのは無農薬無化学肥料生産でした。
めちゃくちゃ大変でした。除草が…。

逆に言うと、ただ生産するだけなら除草を頑張ればなんとかなるということです。
それでは持続可能ではありませんが。私が。損しちゃうので。

その時生産したおコメが一番感動が大きかった気がします。

それからその品種がおいしいと思ってずっとやってきました。
柔らかくてパサパサでない普通のフィリピン米よりおいしいフィリピン米ということで食べていただいています。

最近、最初に食べた時の感動が小さくなってきているような気がしています。
慣れてきたのかもしれません。
化学肥料を使っているからなのかもしれません。



ということで、今季は、あの感動を再び。を目標に考えました。

初稲作と何が違うのか。
気持ちが違うのは当然ですが、
無農薬無化学肥料栽培と化学肥料を使った栽培。

そのうち何が違うのか。
また無農薬無化学肥料栽培には戻れません。収量や手間から計算して販売価格が低いからです。
100ペソ/㎏で全量買っていただけるならできそうです。
まだそんなお客さんと出会っていないので、まだできません。

農薬と化学肥料。

農薬のうち、除草剤は初期にしか使ってません。雑草が大きくなったら効かなくなるし、それを殺す薬剤だと稲にも効果があるので。

殺菌剤は使いません。イネは強い子なので、とくに、アジアの気候は好きなようです。

殺虫剤は、使っています。使わないと、収量が減ってしまうということもあるし、おコメに茶色いコメ粒が混じってしまうので。
それでも、できるだけ使わないようにしています。安全ということもあるのですが、農薬が高いのでできるだけ使わないようにしたいのです。

化学肥料は、今悩みの種でもあります。
どうやって減らすか。周囲の農家も使う量が増えている気がしています。
それでも収量が増えているので、経済的には合っているかとは思いますが、このままでは私はなんとなく気に入りません。

かといって全量有機肥料だと超高級米になってしまいます。

有機肥料の何が良いのか。
有機物と微量要素、肥効が長持ちだと考えています。

肥効が長持ちというのは、追肥で追っていく慣行農法プラス特殊な微生物資材で対処している気がしています。

有機物は前々作の稲わらや前作の緑豆がすきこまれているのでいるのであるはずです。
そもそも有機物の何がイネの栄養にとって良いのか。そのままイネが吸収することはありません。
微生物が有機物を分解してその分解された何かをイネが吸収しています。
人間の目から見ていつも有機物が分解されてなくなっているので微生物がいないということはありません。
有機肥料に何か特殊な微生物が入っているのかもしれません。
その、特殊な微生物、もしくは彼らが生成する産物がおコメの食味に関与しているのかもしれません。

有機肥料にはきっといろいろな微量要素が含まれています。他人様の土地で生産された植物やそれを食している動物から出てきたものを混ぜていますし、さらに発酵という微生物様の力を借りて生産されたものです。きっといろいろな成分が含まれています。
この微量要素も絶対に食味に関与しているはずです。



微生物とその産物。微量要素がおコメの品質に関与しているのかもしれません。
そのうち何なのかは科学は研究しているはずですが、自然を相手にしている農業では、分析するよりも自然が何とかうまくやってくれると考えてしまいます。どの微生物、どんな生成物、どの微量要素が必要なのか、それに集中して施与するよりも大雑把でもいろいろ網羅して施与する方が効果が出ることが多々あります。大まかに言うと自然が何とかしてくれる。のです。それでも収量を上げたり、おいしくしたりするのは人間が植物が思うように生長するように環境を整える手助けをしなければなりません。



ということで、今季は微生物とその産物、微量要素。をキーワードに栽培します。

どうなるかは食べてみてのお楽しみ。私の農業は食べるところまでが農業です。

Comments

Popular posts from this blog

弁当肥という技術

台風通過中で季節外れの大雨です。 今季の稲ですが、なんだか出穂が少ないように思いました。 肥料なのか水なのか。 肥料は少なく1回多めに散布しました。 総量は同じですが、1回の量は減らしています。 イネがほしいときに少なかったのかもしれません。 ただ、丈は良いのです。 灌水もできる限りしました。 しかしながら、穂の数が少ないのです。 有効分げつが少ないという言い方をします。 なぜなのか。 調べてみると肥料が少ないとのことでした。 その中で ”弁当肥” という言葉がありました。 何という意味なのか。 田植え5日前くらいに追肥をして田植え後の栄養にする肥料だそうです。 それによって田植え後の活着を良くして生長させるようです。 田植えに弁当を持っていくことから弁当肥と言うらしいです。 そう言われるとフィリピンでもそれをしています。 忘れましたが現地でも言葉があるくらいです。 最初、やる理由がわからなかったのです。 田植えしたら早く元気になると言われました。 体内に栄養を保持してるのか疑問でしたし、ちょっとおなかがすいている方が頑張って根を伸ばすだろうと思っていました。 ですので育苗の時には肥料を少ない目にやっていました。 ひょっとしたらそれが理由なのかもしれません。 なかなか思ったようにはいきません。 皆がしている技術には理由があることを改めて思い知らされました。 農業において引く、減らすというのは慎重にしなければならないようです。 … 調べるのは次回、来年の雨季になってしまいます。 準備はできるだけしなければいけないのですが、なかなか結果を見て対処しなければいけないことが多いです。

Seed of...

Pine tree. Very big. I've never seen there big pine tree seed. You can eat it... Maybe

恥という意識について

フィリピンで生活しているといろいろ考えられないことを経験できます。そして、日本の素晴らしさ(全てではないですが)を目の当たりにします。 … 最近、気にかかることしか 子どもたちにハポン(日本人)と言われること。 挨拶がペラ(金)と言われること。 … 日本ではなかなか言われません。 私が日本人だからですが、外国人に対してもそうは呼びません。 どうしてそう呼ばれるのか。 親がそう呼ぶからです。 フィリピンは貧富の差が激しく私が接しているのは小学校までしか行けないような人たちが多いのです。 悪い人たちではないですが、やはり教育が足らないように思います。 2番目の金と言われるのも親の影響だとは思いますが、教育なのかなと思ってしまいます。 日本ではどうかなと想像するのですが、恥ずかしくて言えない。と思いました。 … 恥というものが足らないのではないかと思います。 身なりが悪くて恥ずかしいというのはよくあります。 でも、そこまでです。内面に対して、目に見えない事柄に対して、恥はなさそうです。 以前、読んだのですが、知識、勉強というのは目に見えない事柄を認識できるようになる。というものでした。 私の周りのフィリピンにはそれが欠けているように思えます。 フィリピンは経済発展中で日本からも今までにないくらいに企業が来ています。 しかし、私には見せかけの発展なのかなと見えてしまいます。 上流階級は発展していますが、私の周りは変わらずです。 やはり教育なのかなと思ってしまいます。 … ヤサイを育てるのは3ヶ月。 コメを育てるのは6ヶ月。 果樹を育てるのは10年。 ヒトを育てるのは一生。 本質はすぐには変わらないようです。