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フィリピンは食料が高騰しています。


フィリピンに大型で猛烈な台風が襲来中。
フィリピンの野菜ボウルと言われているベンゲット州が大きな被害を受ける。

これでまた、野菜が供給不足になると思う。
それでなくても、今年の雨季は長いモンスーンレインで8月はお天道様を見る日が数日しかなかった。
それで、野菜はすでに暴騰中。そこにスーパー台風。泣きっ面に蜂。
最短で年末まで野菜の価格は下がらないかもしれない。

そもそも、昨年初めから野菜の価格は暴落しなくなった。
単純に考えて、供給が不足しているのだろう。
何故か。
生産量減少?需要拡大?



野菜暴騰中のマーケットにて。
女性がバジルを買っていた。1,000ペソ/㎏だ。それでも買っていた。絶対に必要なのだそうだ。
ズッキーニも450ペソの値がついていたらしい。それでも買う人がいるのだろう。
ネギも200ペソ/㎏になった。キャベツは100ペソ/㎏を超えている。
以前では考えられない価格である。

暴騰しても買わなければならない人たちが増えたのかもしれない。
そうなると、今のような状況では価格は青天井になる。
以前は、いくらか以上になると、買い手側が買わなくなるから頭打ちしていた。

それはどんな人たちが買っていくのか。

絶対必要なものがある。というのはレストラン、ホテルだろう。
個人では暴騰中、我慢するのが自然である。



農家は儲かっているのか。

価格だけ見ると誰もが儲かっているというはずだ。
農家は収穫できなくて困っている。というはずだ。
確かに両者正しい。
売上=価格×収量
だからだ。
技術、運、があった農家は儲けている。少数だろう。
多数は困っているとはずだ。



今後どうなるのか。

そういったものを博打で生産する農家が増えるのだろうか。
博打を夢見て農家になる人たちが増えるのだろうか。
消費者側はどうするのだろうか。皆、日替わり定食を導入するのだろうか。



以前、仕事で安定要求の重要性を説いてきたが、本当に正しいのだろうか。
こういった事態があるから良いという農家もいる。

私もそうだ。今季、この台風前に収穫を終えたイネは高値で販売できた。その代わり昨季は大損したのでプラスマイナスゼロくらいだが…。
それでもこの博打によって成り立つ経営がある。

その一方で、ニラは安定的にマニラのレストランに卸している。一定の価格でほぼ一定の数量で。
そうすることでレストランの方は安心してニラメニューを出せている。
そういった経営もある。



イネに関しては私が稲作を始めてから価格が大きく下がらない。野菜も同じだと思うが。
これは需要拡大なのだろうか。
しかも今年はコメも高騰中。
政府輸入米が尽きたからだそうだ。
11月には価格が安定するとニュースで見た。
どうなるだろうか。
今回の台風でダメになる水田は多いと思う。
収穫前に重なっている地域がほとんどだと思う。
政府輸入米の輸入の前倒しになるか。高騰が続くのか。



農家は生産して販売するところまで仕事である。ほかの業種と同じだろう。
一つ違うのは価格は自分で決められない。全て需要と供給のバランスの相場で決まる。
基本的には…。それ以外の流通、販売方法もあるので一概には言えないが一般的には相場で価格が決まる。

だから、価格に目がいく農家はたくさんいる。私もそうだ。価格が高いときに合わせて生産したくなる。
果たして、それは正しいのか?
違和感もある。生産がきちんとしていないのに価格だけで作付を決めて良いのか?
生産技術という基盤があってこその販売価格である。
良いものはバイヤーも来るし、高く売れる。収量が多いことは売り上げにつながる。
まず、そこからだ。



いやー、農業って面白い仕事です。




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