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Maslow's hierarchy of needs

マズローの欲求段階について機会があったので考えてみた。

この図を見ると、いろいろ勉強になる。

長い間、フィリピンの農業と関わってきているが、日本人が支援してもなかなか思ったように発展しない。

一つに生産技術、一つに付加価値がマーケット側にあるのかどうか。
というか、生産から消費者までの農業生産物に対する水準が日本に比べて圧倒的に低い。

消費者側からいうと、
野菜を食べない。米や肉がほとんどの食卓に並んでいる。熱帯なので果物も比較的多い。
野菜は食べても形があれば良いというものが多い。結局、油や濃い味付けで野菜の味がなくても良いわけである。さらに濃い味というのはご飯をたくさん食べられて胃を安く手っ取り早く満たせられる。
野菜は重量当たり肉より安いわけであるが、食べるときにおかず単位重量当たりどれだけご飯を食べられるかを比較した場合、肉の方が安いのかもしれない。野菜、特に葉物はほとんど水なのである。

という消費側の傾向があるため、生産側もおいしい野菜はまず考えない。形があれば良いわけである。
新しい野菜の導入などもってのほかである。
付加価値がつきにくいため、なかなか特殊な生産に踏み込めない。コストだけかかるからである。
特殊野菜のマーケットは小さい。有機農法などどれだけマーケットが少ないか。だからほとんどの場合、頑張って有機農法で生産した野菜でも手間をかけたほど高く売れるわけではない。今は手間が安いので良いのかもしれないが。



フィリピンの食の産業は、マズローの言う生理的欲求の水準なのである。
次の、安全欲求となるとどうなるのか。
健康のために野菜を食べる。安全な野菜を食べる。ちょっとおいしいものを食べる。
そして、社会的欲求になると、
外食やデザートのケーキとかになるのだろうか。
尊厳欲求になると、
ブランドがついた商品になるだろう。
自己実現欲求となると、どうなるのだろうか。
新しい食の創造、新しい、珍しい野菜を求めるのかもしれない。

そう考えるとフィリピンの食の産業はどうなのだろうか。
もちろん、下から上まで全部ある。
日本に比べて貧富の差が激しいからだ。
ただ、割合が全く違う。それがマーケットだ。

フィリピンはどうなのだろうか。
確かに中流層が増えてきているらしい。
だから、おいしい野菜、安全な野菜、珍しい野菜を求める層が増えてきているという感じがする。

そうすると、中間業者、生産者側もマズローのピラミッドを登っていかなくてはならない。
安全で新鮮な野菜。



消費者はピラミッドの上の方にあるが、生産者の思考は下の方。それをどうすれば生産者が上に登っていけるのか。

このピラミッドは飛び級できないらしい。
一つ一つ登っていかなくてはならない。

ということは、生産者が
1.生きていくための衣、食、住が整っていなければならない。
2.それが、安定して得られるという安心と安全がなければならない。
そこで、そこから質を上げるための余裕が出てくるわけである。

そこまでの生活の余裕があったうえで技術を習得する環境がなければならない。



なかなかそこへ進まない。
毎日仕事して給料もらっているのに次へ進まないのはなぜなのか。

1.本当は安心していない。
2.良くしようとする欲求がない。
3.わからない。

くらいしか思いつかない。
そうすると
何故安心できないのか。安心できるかどうか判断できないのかもしれない。
上級な欲求も教育から来るものなのか。

我が農場には未だわからないことが多すぎる。

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