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企業の農業への参入と撤退

農業が脚光を浴びていろいろな企業が農業参入しています。

最初のうちは、この会社が農業参入かぁ。すごいなぁ。
というような気持だったのですが、今は、参入くらいでは気にしなくなりました。

どれだけ続けてやっている企業があるのか。
そんなニュースはほとんど出ていません。

企業にしたって若者の農業参入も同じです。ずっと続けているところが何%くらいあるのか。

私もまだ4年目で新規参入の部類で問題山積みですが、まだ続けています。

この記事を読み、勉強させてもらいました。

またも企業が撤退「農家にはかないません」:日経ビジネスオンライン:

この記事から思うところ。

1. 「こんな炎天下でよくやるなあ」。
農家はやっぱり仕事をしている。ということ。しかも思っている以上に。特に肉体労働。
晴耕雨読というようなのんびりした日々を毎日過ごしてはいません。

2. 「何が起きているのかわからなかった」。
確かにそうです。私もよくわかりませんでした。最近になってやっと分かり始めてどうすれば良いのか少し見当がつくようになってきました。

3. 「たった1年の経験で乗り切れるほど甘くはないのだ」
農家は毎年一年生と私の先生が言っていました。その通りです。

4. 「既存の仕入れ先がある」
新規参入すると他の生産者からマーケットを奪わなくてはなりません。そのための品質と価格、継続性があるのかどうか。

5. 「自分がワーカーのままでは会社が発展しない」
当たり前ですが、きちんとした農家は誰もが経理管理をしていますし、営業もしていると思います。生産だけが仕事なのは農協に入っている一部の農家くらいです。

6. 「野菜のサイズなどの規格に対して厳しかった」
特に日本では新規参入の壁が高いのはこの厳しい品質規格だと思います。
それを生産するにはやはり高度な技術が必要です。

7. 「…ジャガイモは10アール当たりの収量が2トンを切っていた。これに対し、周囲の農家は3~4トンは当たり前で…」
農家が普通にできていることが新規参入の人にはできないのです。
私も収量がなかなか周りに届きませんでした。ようやく周りと同じくらいになってきたくらいです。

8.「農業を始めたばかりの相手にいい条件の畑をすんなり貸してくれる農家はそういない。」
まさしくその通りです。良い土地は自分で耕します。

9. 「確かに総面積は13ヘクタールまで広がったが、実際は約50カ所にある細かい畑の集積だった。」
このことに限らず、簡単な倍々ゲームで拡大できる商売ではない。穀物は比較的簡単ですが、野菜は大きくすればするほど難しいです。



いろんな企業が農業事業を続けられない理由はいろいろあるかと思います。
続けることが一番大変な商売です。

私のところは台風が来て全滅すると次、ローンを組まないと生産できない状況です。
それくらい利幅が少ない商売ですし、割にリスクの高い商売です。



この記事を読んで、他の新規参入者も同じような問題を持っているのだと正直、ほっとしました。自分だけなのかなと不安になることがたくさんあります。しかし、日本でもフィリピンでもそう大きく変わらなかったのです。

その中で、自立できる農業経営を実現できるよう毎日仕事をしています。

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