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ウイルスと植物

農業をしているといろいろな病虫害に悩まされる。
その中でもウイルス病には頭を抱えている。
基本的には治療できないし、防除もできない。植物をウイルス病から守るにはそれを媒介する虫などを防除するしかないのである。

不思議でいっぱいになった。

例えばトマトやピーマンが罹るモザイク病。一言にモザイク病といってもいろいろな種類のモザイクウイルスがいる。

植物体が罹ってしまうと植物体が変形してしまう。



きっと、トマトとモザイクウイルスの戦いは昔からあったはずである。
でなければ、元気なトマトとトマトの葉っぱを変形させるウイルスが両方存在しないと思う。

そもそも植物の免疫機能がどうなっているのか。

人間ならマクロファージが病原体を食べたり、免疫機能がある。しかも、生きている間にいろんな病原体に対抗するための免疫機能がついてくる。だから予防接種がある。

植物はどうなんだろうか。

まず、体の中に入れない。細胞壁で身を守っている。
それと、病原体を寄せ付けないようにしているらしい。忌避物質やホルモン。

あと、病原体に感染した細胞が自死する。それが私たちが見る病虫害の症状である。



基本的にはそんなことらしいのだけれど、実際はどうなのか。
耐病性品種がいっぱいある。ということは遺伝的にこの病気には強い。というのがある。
それは多様な植物体、同じ品種でも個体差がその耐病性などになって、それを交配させて耐病性を受け継がせているのだろう。

そうすると、特定のウイルスに対して抵抗性を持っているものが残る。そうするとウイルスも繁殖できないから頑張る。

という流れなのだろう。

自然界はそれでお互い頑張って生きているけれど、農業生産の場ではそんなことできない。
単一品種でやっているからウイルスが来ちゃうとお手上げになってしまう。

どうしたら良いのですか…。

感染しても治ってくれるとまだ何とかできるのだけれど、どうしようもないとなってしまうと、本当にどうしようもない。

人間みたいに何か頑張って免疫機能が強くなって未知の病原体でもある程度戦えるような仕組みにしてほしい。



一番現実的なのは種子の自家採取なのだろう。頑張った個体を次世代に引き継ぐ。
ということなのだろうか。

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